LIPTONのミルクはなぜ粉ミルク?
先日,京都に行ってきました.友人と京都のあちこちを観光して回ったのですが,その際にLIPTONのティーハウスに立ち寄らせていただきました.LIPTONというと黄色ラベルに赤いロゴのレモンティーのペットボトルか,ティーバッグといったイメージの方が多いと思いますが,京都にだけ喫茶スペースを備えたLIPTONの店舗が数件存在するのです(自分も今回調べて初めて知りました).
そんなLIPTONの代表的な紅茶と言えばセイロンティー(ウヴァ).LIPTON創業者のサー・トーマス・リプトンがセイロン(現在のスリランカ)で茶栽培を始めたことに起因します.
まずはスタンダードなものを,とクリームティーを注文すると(残念ながらセットではアッサムしか選べませんでした),なんとついてきたミルクが粉ミルク!どのお店でも出てきたことがないし,分量も分からないし…そもそも,なんで粉ミルク?
京都から帰ってしばらくして,以前読んだ本に思い当たるフシがあったのを思い出しました.著:磯淵 猛 “紅茶の国 紅茶の旅”という本の一節で,“ラクスプレイ”という粉ミルクが紹介されています.酷暑かつ冷蔵庫があまり普及していないスリランカで,“紅茶と言えばミルクティー”のイギリス人たちが足のはやい牛乳をいつでも,どこでも確保しようとした結果生み出されたもののようです.
スリランカをルーツとするLIPTONなら,こういった経緯から粉ミルクを使用していても不思議はありません.
…もっとも,そのとき出された紅茶はアッサムでしたが.